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「じっとしてろ、って言っただろ。」
そうだった。
僕はいつも、落ち着きのない子だって、言われていた。
「じっとしてなさい、って言ってるでしょ。」
5年のときの担任の先生は、ちょっとヒステリックだったのを覚えている。
僕は、一日に1回は、このセリフを突きつけられていたように思う。
朝礼の時。
前の子の肩に、虫がとまった。
僕は、その虫を払ってやろうと思っただけだったのに。
先生は、すごい険相で僕の方へ走ってきた。
そして、朝礼台まで引っ張って行かれた。
算数の時間。
山口さんが寒い、っていうから、窓を閉めに行ってあげた。
そしたら、先生は、後から肩をつかんで僕を振り向かせると、
いきなり頬を叩いた。
「じっとしてなさい、って言ってるでしょ。」
僕は、いつも、なんだか納得いかなくって、
でも、うまく釈明できなかった。
今日だって、ボタンを押しただけなんだ。
だって、部長が、「ボタンを押せ!」って、ジェスチャーしたからさぁ。
宮下さんが、大きな目を、もっと大きく開けて、僕を見ている。
きれいだ・・・
僕の白いシャツが、みるみる、赤く染まっていく。
寒い。
さっきまでけたたましく聞こえていた警報ベルの音が、なんだか、小さくなってきた。
くそっ。
あいつらは、逃げたんだろうか。
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